家(中古マンション)を買うことになってから、私は、Aさんがうちに来ても、

「来客中なの」「これから出掛ける用事があるから、ごめんね」と断ることができるようになっていた。

実際、不動産屋さんや引っ越し業者さんが見積もりに来たり、物件を見に行ったりしてる、
嘘をついている訳じゃない、本当のことなんだ、と思うと気が楽だった。

それでもAさんは、
「買い物に出かけたら、寒すぎて、途中で風邪気味の子どもの調子がわるくなった、少し休ませて欲しい」とか、
「渡したいものがある」とか、引き返してくれないときもあって、


(お土産とかお菓子の類かと思っていたから)渡したい、という物には驚いた。

Aさんの子どもちゃんは喘息で、急に具合がわるくなったりすると、かかりつけのお医者さんに連れていかないといけないそうだ。

「近所のお医者さんに診てもらったりしてたんだけど、やっぱり、前にかかっていた〇〇市の病院がいいのよね。

ほら、地図を書いてきたの。
いざとなったら、楓子さんが、うちの子を車に乗せて連れて行ってくれないかしら?」

「ええっ、私、〇〇市なんて行ったことない、そんな遠くまでは運転できないよ」


「だからこの地図を渡しておきたいのよ。
それに助手席には私が座るから、大丈夫。不安なら、事前に一緒に行ってみない?」

はぅぁあああ?!

「ねえAさん、私のヘボ運転よりタクシーを呼べばいいんじゃないの?その方が速いよ」

「タクシーって、料金が高くなるようにわざと遠回りするじゃない?
それだと時間がかかるわ。
もっと早く行ける抜け道を調べて書いてきたのよ、これ、普段から見ておいてくれる?」


「お役に立ちたいけど実は近々引っ越しをする予定になったの、ごめんね」

Aさんは、いつ、どこに引っ越すのか、どういうところなのか、価格は?などと訊いてきたけど、
まだちゃんと決まってないし・・・と、私は言葉を濁して答える気はなかった。

「あら、広さも値段もウチの半分以下ね」とか言われたら、ガッカリだもんね・・・


その後は、引っ越し準備で忙しい、引っ越し先に早く慣れないといけないから何かと忙しい、
働くことになったから時間がない、と事あるごとに断ったんだけど、
避けられているのかも?という考えは、彼女の頭になかったようで、

「そんなに忙しいなら、文通しましょうよ」って言ってきた。

「ぶんつう?
私、返事書けるかどうかわかんないよ、それでいいんなら・・・?」

当時、たいていパソコンが自宅にあったり、ママさんだって携帯電話を持ち始めていたというのに、持ってないんだね、メアド・・・


まもなく、Aさんからの手紙が届いたけど、それは封書ではなく、ハガキだったので、
仕事帰りの夫が郵便受けを開けたときに、つい目にして読んでしまったらしく、
「なんじゃ?こりゃあ!?」と驚いていた。

小さな文字でびっしりと、

今、主人に転勤の話が出ていて、
もちろん〇〇銀行が荷造りしなくていい最高ランクのおまかせパックの引っ越し費用を負担してくれるし、転勤先でも〇〇銀行が広くて新しい快適で立派な社宅を用意してくれるから、今住んでいるマンションは賃貸に出すつもり、
そうすると賃貸料が入ってくるし、栄転だから昇進して、昇給もあるし、役職手当が付くから
一層収入が増えてしまう、
いったいどうやってお金を使い切ればいいのか思案に暮れている云々・・・(以下略)


「こんなの郵便配達の人に見られて、Aさん、恥ずかしくないのか、

住所や名前までまるわかりだぞ・・・

封筒に入れたら読まれなくて済むのに、なんでハガキなんだ?」と夫は首を傾げてる。


「・・・うーん、むしろ見せたいのかな]

「これ見て、いいなって思う人いるのか?大笑いされるだけなんじゃないのか?」


「・・・それと多分、切手代が封書よりハガキの方が安くつくからかな」

「ええっ、だって、お金があり余って困る、みたいに書いてあるぞ」


「うん、でも、車も持ってないし、〇〇市まで乗せてくれって言われたもん」

「タクシー呼べばいいじゃないか。楓子、絶対乗せたりするなよ。

〇〇市って結構遠いぞ、狭い道ばかりで混んでるし時間がかかる、危ないぞ」


「うん・・・そう言ったんだけどね」


とても言えないな、手書きの抜け道地図まで預かってるなんて・・・



え?ハガキのお返事をどうしたかって?
どういう返事を書けばいいんでしょうね・・・

貴方ならどうされますか?


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Aさんについては、
「Aさんの話」 「私も同じバカなんですけど」 「お金がないのに家を買う1(何やってんのよ!)」
でも書いています。




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