「惨めな気持ち」 の続きです>


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果たして翌日、Nさんは家にやって来ました。

「どうしても、これだけは聞いて頂きたい、と思うことがありまして、突然に申し訳ありません・・・」

休日だったし、前夜遅くまで話し込んでいたこともあり、夫と私はのんびりと過ごしていたので、「ちょっとだけ待ってください」と、大慌てでパジャマを着替えました。

Nさんに「どうぞ、上がって。中で話しましょう」と言うと、少し驚いたようでした。
バタバタとしている割には、家の中が片付いていたからだと思います。


お茶とお菓子を用意して、まずテーブルに着くようお勧めすると、Nさんは恐縮した様子で、

「実は僕は嘘をついていました。
今の会社に長年勤めているような言い方をしましたが、数年前に入社したばかりです」

夫と私は顔を見合わせました。
「失礼だけど、話し方がマニュアル的でぎこちない感じだな、とは思っていました」

そうでしたか、気づかれていたのですね・・・、
Nさんは、しかし自分は人に喜ばれるこの仕事を天職と思っている、と言い切りました。

そして、まだ浅い経験しかないが、
この住宅街はとても魅力的で実際に人気があること、
場所や広さ、家の仕様、間取りによって、2500万くらいの価格差を設けてあるが(例えば4500万~7000万ということですね)

その中に、自分が一番気に入っている家があり、
立地や設計などかなりお買い得な価格設定と思えて、
できれば自分の気に入ったご家族に住んでもらいたい・・・、この物件を自信を持ってお勧めできるのは大きな喜び・・・と考えていた。


第一期分譲と最終分譲を較べると、
良い条件の物件(人の出入りが多い入口ではなく奥まったところ、隣に建設予定地がなく、日照の障害などになるような建物と接していないところ)
を最後に残しておくのが一般的なのだが、
自分の予想どおり、その家は最終分譲に回されることになった。


すると、◇◇様(夫のこと)がまさにその家を選んで下さった、ただ購入資金がないと仰る・・・
自分は何としてもお手伝いがしたい、
今日訪問させて頂いて、ご家庭の雰囲気がますます気に入ってしまい、
資金面で諦めてしまわれるのなら、何とかお助けしたい、尽力したいと思っている。

しかしながら、家が気に入らないと仰るのであれば、それは仕方がない。
ご主人様には見て頂いたが、奥様にはモデルハウスしか見て頂いていないので、
ぜひ、区画と設計図を見て、いま一度ご検討頂きたい。

ついては、今朝新たに確認を取り、S銀行とD銀行の2社から、諸費用ローンといって、
住宅価格全額とさらに必要経費全てを貸してもいいと言ってもらっている。
確約ではなく、これから審査があるが、大手の2銀行がすぐ貸せると言っている以上、まず大丈夫と見ていい。

自分は、あのモデルハウスでお待ちしています、
他の方からの予約が入らないように、今日一日は◇◇様と商談中、という話にしてあります。


Nさんは、それだけ話して、あっさり帰っていきました。



「・・・そんないっぱい貸してくれるなんて、そんないい会社に勤めてたん?」

私は、信じられないという思いで、夫に訊きました。

夫の会社は全くの無名でごく一部の専門職のみ知る人ぞ知る、みたいな中小企業です。
今だってクレカのリボ払いに喘ぐ貧しい生活なのに・・・

「それはな、ちゃんと理由があるんや」

話によると、夫の会社は、
世の中が不況になりつつある中、なぜか毎年右肩上がりに業績を伸ばし、
今年度の決算では創業以来、空前絶後の営業利益を記録しそうな勢いなのだそうです。


「・・・でもな、それはたまたま、数字がそう見えるだけであって、ほんまは違うんや。

早くて来年度、遅くても再来年には、大赤字に転落する・・・

現に、もう何人か役職のある高給取りの人にはリストラの話が出てるんや」


ええーっ!・・・ ・・・


「まあ、そんな心配すんな、おれはヒラ社員やし知ってのとおり給料も少ない。リストラは免れると思うで。

ただ・・・

これは、最後のチャンスやな。

この先、銀行だってどこだってこんなに貸してくれることは、もうない。

おれは、正直どっちでもいい。

楓子はどうや?

今を逃すと一生、一軒家に住むことはないと思う、それでいいか?

・・・住んでみたいって思ったことないか?」


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ここで、ひとつ、「この夫婦も、Nさんも、すごく大きな問題を忘れているのでは?」と気がつかれた方、いらっしゃいますか?

はい、とーっても大きなカベがあります、忘れてないですよ、これさえなければまだ希望が持てたのですが・・・
漢字で三文字です、〇〇〇

もうひとつ、前回からの一連のモデルハウスからの話の流れの中で、夫は嘘をついています。

え?わかる?
スゴイな、右京さん並の推理力です、だって当時の私ですら気がついていなかったんですから。

フラグはあります、答は、近況報告を挟んで、「危険な賭け、危険なベット」 で明らかに・・・。



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